音を遠くまで聴こえやすく届ける「サウンドスピーカー・ホーム」を取材

サウンドファンさんの聴こえやすい音に変換する「サウンドスピーカー・ホーム」の取材記事を、サーイ・イサラさんの1月号に掲載して頂きました。紙媒体なので記事へのリンクはありません。

“音を聴こえやすくする”と書くと、イコライザーで周波数を調整するなどのエフェクトを掛けるイメージがあるかと思います。このサウンドスピーカー・ホームは、そうではなくて音を大きくするイメージです。もちろん、単純にボリュームを上げているのではなく、音の減衰を抑えるように遠くまでくぐもらずに伝わるように再生するのです。

聴力が衰えた高齢者の家庭などでテレビの脇に置いて使うのがオススメで、ボリュームを上げ過ぎて家族や隣近所に怒られた経験のある人ほど、その魅力も理解しやすいのではないでしょうか。

本製品が音をしっかり伝える秘密はカーブしたスピーカー面にあります。通常のスピーカーは振動板がコーン状になっていて、そこにピストン振動させて音を発しています。ミライスピーカー・ホームは、スピーカーが板状のものを曲げただけのほうが、音が遠くまではっきり伝わるという原理を応用しています。

原理と言っても実は未だしっかり解明されていません。よく分からないけれど、こうするとよく聴こえるから、それで製品を作っちゃえという、理屈から入り勝ちな人間には驚かされる開発の裏話が聞けました。

この現象は、文字で読むだけではピンと来ないかもしれませんが、目の前で再現されるとなかなか面白いのです。なかなかどころか、明らかにテンションが上がります。

一年以上前にサウンドファンさんの方から声を掛けられて取材したことがあり、その時は生憎と上手く紹介できる媒体を見付けられませんでしたが、今回こうして取材して記事にできて良かったです。

サーイ・イサラ 1月号 日本のモノ語り「第51回 ミライスピーカー・ホーム(株式会社サウンドファン)」

キリンビバレッジの東急電鉄へのiMUSE贈呈の様子をレポート

キリンビバレッジさんの発表会レポートを、マイナビニュースさんに掲載していただきました。PR記事です。

キリンビバレッジさんが開発・発売した免疫機能での機能性表示食品(飲料)「iMUSE」を、エッセンシャルワーカーを少しでも下支えしたいと、東急電鉄さんに贈呈することになり、その贈呈式の様子をレポートした内容になっています。

いつも家電やITばかり仕事のネタにしているので、ちょっと毛色の違う仕事ができて楽しめました。

交通機関はコロナ禍のような時は、いつも通りの勤務が求められる過酷な職場と言えます。もちろん、多くの従業員の中からは感染者や濃厚接触者も出ている可能性がありますが、そうした従業員を出さないためにも、一人ひとりの免疫力が少しでも向上するならば、意義のあることではないかと感じました。

実はこの仕事を切っ掛けに、発表会のあった12月4日以降、毎日一本飲んでいます。私が上顧客になってしまっている訳ですが、この商品のお陰で免疫力が上がって、健康が維持できているのかどうか、もう少し自分自身で試してみようと思います。

ちなみにコロナ禍ということもあり、会場まで足を運んだメディアはマイナビ関係者のみでした。いたずらに業界に長くいるもので、過去にはコロナ禍など関係なく、「参加者が私しかいない発表会」という恐ろしい経験も何度かしています。今回はマイナビの担当やカメラマンもいたので、部屋中からの視線が説明を受けているだけの私に、無駄に集中するという事態は避けられたのではないかなと思っています。

日本の日常に欠かせないエッセンシャルワーカーを応援! – キリンビバレッジ、「iMUSE」約5万本を東急電鉄に贈呈

モダンPCで日本の子供達に力を与えたい--マイクロソフト 星本部長をインタビュー

マイクロソフトのWindowsデバイス戦略本部 本部長 星 竜太郎さんのインタビュー記事を、家電Bizさんに掲載していただきました。オンラインで取材しました。

マイクロソフトさんは数年前から「モダンPC」キャンペーンを展開し、テレビCMやWeb広告などのほか、家電量販店のPC売り場でもコーナーを設けるなどしてピーアールしています。

モダンPCのかっちりした定義はないのですが、基本的にはユーザーがPCを使いたい目的に不満を抱くことなく使用できるフラグシップの性能を持つマシンと捉えれば、ほぼ間違いありません。その条件から、13インチなどのサイズが小さくて軽いモバイルノートがモダンPCとして訴求されがちですが、2021年は15インチ台の据え置きノートPCをモダンPC化して推していきたいとのことでした。

記事に盛り込めなかった話の中では、子供向けの学習用PCにも注力していくという話をしているときに、日本の子供達に力を与えるPCを提案したいといった話になり、「そこがいまの自分のモチベーションになっている」とおっしゃっていたのも印象的でした。

2021年のパソコン売り場を占う「注力するのは15インチ台のモダンPC」 マイクロソフト Windowsデバイス戦略本部 本部長 星 竜太郎氏インタビュー

かまどと同じ味でご飯が炊ける三菱電機の「本炭釜 KAMADO」はこうして生まれた

三菱電機さんの高級ジャー炊飯器「本炭釜 KAMADO」の取材記事を、サーイ・イサラさんの12月号に掲載して頂きました。紙媒体なので記事へのリンクはありません。

三菱電機さんの本炭釜は、炊飯器の内釜に純度が99.9%の炭を採用しています。99.9%ならほぼ100%と言って良いと思うのですが、ほんの微量でも違うものが混じっている可能性が否定できないならば100%とは表現しないというのが、三菱電機さんの社風。

「本炭釜 KAMADO」は、そんな社風の三菱電機さんが「これは竈と同じ味のご飯が炊ける」と言い切って商品名にした炊飯器なのです。ちなみに最新機種は「NJ-AWB10」です。

この自信の源はどこにあるのか。どんな開発経緯や苦労話があったのか。埼玉県深谷市の小前田工場へ行き、家電製品技術部の金井孝博次長と、営業部の八百幸史晃主事に話を聞いてきました。

サーイ・イサラ 12月号 日本のモノ語り「第50回 「本炭釜 KAMADO」(三菱電機)」

世界初の革新的な技術を取り入れた鹿島建設のトンネル掘削機「NATBM」を取材

鹿島建設さんの新しいトンネル掘削機「NATBM(ナトビーエム)」の取材記事を、サーイ・イサラさんの11月号に掲載して頂きました。紙媒体なので記事へのリンクはありません。

私がよく記事にする家電やIT系ではなく、売り物ですらない「道具」の取材です。畑違いではあるのですが、新鮮さも相まってとても熱くなれる取材でした。

NATBMはトンネルを掘り進む巨大なマシン、トンネル掘削機です。掘削機には実はいろいろな種類があります。トンネルというと、道路や地下鉄のトンネルを真っ先に思い浮かべますが、今回取材したNATBM(ナトビーエム)は黒部川電力新姫川第六発電所における水力発電用の導水路を作るためのトンネル掘削機です。

トンネル掘削機は目的のトンネルの直径に合わせて作るので、いわばすべてが特注品。使い終わると前方のカッターヘッド部はボロボロになっていて、他の現場で使い回すということはまずないそうです。新しいNATBMは、これまでにない革新的な仕組みを備えていて、NATM(ナトム)工法とTBM(ティービーエム)工法の2つの工法を1台で利用できる世界初の機械ということでした。

実物は流石に見られませんでした。巨大な機械を間近で見てワクワクしたかったので、その点はちょっと残念でしたが、稼働中は岩盤の中を掘り進んでいるので、見学することも写真に撮ることも物理的にできません。しかもこのトンネル掘削機という機械は、後ろにベルトコンベアなどの装置が連なる巨大な「システム」なので、基本的に前進しかできないように設計されており、後退させて入り口から出して見せてもらうなんてことはできないのです。

今回は鹿島建設の土木管理本部で統括技師長を務める西岡和則氏にインタビューして、新しくなったポイントや、なぜそれが今まで実現できなかったのかといったところを根掘り葉掘り聞かせてもらいました。

トンネル業界の常識など知らなかったことが沢山あり、目からウロコな驚く話が幾つも出てきて面白かったです。読者にこの面白さの何分の一かでも伝われば良いなと思います。

原稿を書く際に困ったのが、NATM工法とTBM工法の記載について。NATMは「New Austrian Tunneling Method」の略で、「新オーストリアトンネル工法」のこと。平たく言うとアルプス山脈のトンネル工事向けに開発された工法です。一方、TBMは「tunnel boring machine」の略で、「トンネルボーリングマシン」とそのまま片仮名になるとおり機械そのものを指します。つまり、NATMは本来略語の中に工法の意味が含まれるので、NATM工法という呼び方は二重表現なのです。しかし、トンネル業界ではもっぱら、工法のことも機械のことも、NATM、TBMで話は通るので、二重表現になることを気にする人など恐らくいないのでしょう。本文で説明するといたずらに長くなってしまって行数を取るし、悩んだ末、脚注で逃げました。こういうところは、雑誌作りならではの苦労かなと思います(笑)

サーイ・イサラ 11月号 日本のモノ語り「第49回 トンネル掘削機「NATBM」(鹿島建設)」

カシオの皮膚科医用のルーペ「DZ-S50」の開発者インタビュー

カシオ計算機さんの皮膚科医用のルーペ「DZ-S50」の開発者インタビュー記事を、マイナビニュースさんに掲載していただきました。PR記事です。

このルーペは皮膚腫瘍診断技術ダーモスコピーに利用するもので、医療業界では「ダーモスコープ」と呼ばれる道具です。

開発チームの中でも、企画、デザイン、設計のそれぞれの担当者にインタビューでき、こだわったポイントや競合他社製品に対する優位性など、根掘り葉掘り聞かせていただきました。

ルーペごときでそれほど語ることがあるのかなどと思うなかれ。壊れにくさに重点をおきながら、レンズ径を大きく、レンズの端まで歪みが少なく拡大できるよう設計されているので、取り回しがとてもラクなのです。

LEDも備えているし、コンバージョンレンズまで準備されているし、もっと安ければ老眼鏡代わりに欲しい人は普通にいるのではないかと思います。私も紙の出版物の校正時にたまに利用するルーペとして使ったら便利かもしれないと感じ、レビューしたいと喉まで出掛かったほどでした。いや、出ていたかも。

医療用なので、現場で使いやすく、患者に圧迫感も与えないように、何より壊れないように、万が一壊れたとしても修理が容易なようにと、様々に考えて工夫が凝らされているので、ご興味のある方は是非ご一読を。

メイドインジャパンの安心感がバツグン! – カシオの皮膚科医用「ダーモスコープ」開発の舞台裏

大人のG-SHOCKの開発者に話を聞いてきました!

カシオ計算機さんのG-SHOCKの新商品「MTG-B2000」開発ストーリーの取材記事を、マイナビニュースさんに掲載して頂きました。PR記事になります。

11月13日から発売予定の新製品で、MT-Gシリーズはメタルと樹脂の特徴の融合がコンセプトのモデル。具体的にはステンレスと、カーボンファイバー強化樹脂を製品の素材に採用しています。新製品では新たにデュアルコアガード構造を採用し、外観のメタルの質感、堅牢性、軽量性の向上を図っています。大変物欲を刺激される目に悪い商品です(笑)

カシオさんの小作工場まで取材に行き、企画、デザイン、外装の各担当からがっつり話を聞いてきました。

カラバリは3色展開しています。この3色なら無難なシルバーかちょっと格好を付けてブルーかなあ。ピンクってどういう層向けだろう…などと考えながら取材していましたが、ピンクは結構人気色なのだそうですよ!

大人のG-SHOCKに新たな魅力! メタルの質感と軽さを両立させた「MTG-B2000」【開発者インタビュー】

皮膚科向けの拡大鏡ダーモスコープ「DZ-S50」の診療現場での使われ方を取材

カシオ計算機さんのダーモスコープ「DZ-S50」の取材記事を、マイナビニュースさんに掲載していただきました。PR記事です。

DZ-S50を実際に診療の現場で使用している、日本大学医学部附属板橋病院の伊崎聡志先生を取材して記事にしました。取材はオンラインでの実施です。

直径40.5mmのレンズで手に持ちやすい大きさと重さ。レンズの端まで歪みが少なく見え、患部を照らすLEDライトも搭載。さらに側面のボタンで偏光と非偏光が切り替えられます。倍率は6倍ですが、コンバージョンレンズを使用すれば9倍まで拡大可能です。

皮膚科の診察の専門機器な訳ですが、これは日常生活で使っても普通に便利なのではと思わされました。老眼に悩む高齢者が使う拡大鏡のイメージですね。ただ、コストパフォーマンスを考えると、やはり専門機器だなと思い直す訳ですが…。

大きなレンズで皮膚疾患の特徴を捉えやすい – カシオのダーモスコープ

これぞパーソナルエアコン、富士通ゼネラルの首掛け式ウェアラブルエアコン「コモドギア」

富士通ゼネラルさんの首に掛けるようにして使うウェアラブルエアコン「コモドギア(Cómodo gear)」の取材記事を、サーイ・イサラさんの10月号に掲載して頂きました。紙媒体なので記事へのリンクはありません。

文字通り、身に着けることで体温を下げるエアコンです。ハンズフリーなので両手で作業しながら使うことができ、空調の乏しい倉庫やイベント会場、そもそも空調のない工事や建設の現場や農作業現場などで重宝するアイテムになっています。

量販店などでの取り扱いはいまのところなく、当面は法人向けのレンタルのみで提供となっています。これは専門家でないとメンテナンスができないからとのこと。将来は一般消費者向けにも販売したいとのことでした。

仕組みはいわゆるパソコンの水冷式と似ており、首の頸動脈からペルチェ素子で奪った熱を冷却水で腰に装着するラジエーターに運び、放熱しています。この仕組みを聞いたときに、水冷式パソコンの仕組みを理解しておいて良かったと思ったものでした。

パーソナルエアコンの可能性は非常に高く、様々なセンサーを組み込むことでバイタル管理などにも利用可能になります。スマートフォンからの操作や冬の暖房なども視野に入れていて、今後の展開がますます楽しみになる製品でした。

サーイ・イサラ 10月号 日本のモノ語り「第48回 Cómodo gear(富士通ゼネラル)」

料理好き主婦の憧れ、鋳物ホーロー鍋の「バーミキュラ」を取材

愛知ドビーさんの「バーミキュラ(VERMICULAR)」の取材記事を、サーイ・イサラさんの9月号に掲載して頂きました。紙媒体なので記事へのリンクはありません。

バーミキュラは密閉性と蓄熱性の高さで大人気の鋳物ホーロー鍋(オーブンポット)で、料理好きなら知らない人のいない商品です。家電ではありませんが、この連載は「日本の技術」に焦点を当てているので、ITや家電に縛られずに取材先をピックアップして欲しいと編集から言われ、それならばと提案したネタでした。

取材は名古屋まで行って、土方智晴副社長に対応していただき、バーミキュラが誕生した背景や苦労した点など、技術話を中心にしつつも副社長の情熱が伝わるよう、頑張って執筆しました。

凄く情報が多くて、伝えたいと思ったことも多く、一度書き上げた後に書き直したり、差し替えたりして使わなかったテキストが、完成した原稿の倍くらいあってそれなりに大変でした。

割愛したところでは、たとえばフライパンを発売した時のユーザーの反応について「ホーロー鍋で(メーカーとしての)信頼感が醸成されたので、フライパンを使って美味しく作れなかったという時に、フライパンを疑う前に、自分がなにか間違えたのではないかと研究してくれるようになった」と変化を語ってくれたものがありました。

これはとても印象的でした。逆に言うと最初にホーロー鍋のバーミキュラを出した時は、調理が上手くいかないと鍋のせいにする人が少なからずいたということだからです。ここを乗り越えたのは並々ならぬ努力であったのは間違いありません。他にもいろいろお話頂きました。思い出深い仕事ができて楽しかったです。

サーイ・イサラ 9月号 日本のモノ語り「第47回 バーミキュラ(愛知ドビー)」