空気の見える化で効果を実感!シャープの加湿空気清浄機

最近の加湿空気清浄機は通年での利用が想定され、デザイン性もぐっと上がってきています。

シャープさんが、8月30日に発表したプラズマクラスター空気清浄機の新製品も、特に小型のモデルがスリムになって、ますます部屋に置きやすくなってきました。


左から「KI-HX75」「KI-HS70」「KI-HS50」「KI-HS40」

今回発表になったのは、プラズマクラスター25000を搭載した加湿機能付き空気清浄機のラインアップ。最上位の「KI-HX75」のほか、「KI-HS70」「KI-HS50」「KI-HS40」。このうち「KI-HS40」は新しいラインアップです。


スマートフォンの専用アプリと連動。アプリはiPhone用とAndroid用を用意

同社の調査では、過去に所有していた人のうち約15%は効果が実感できずに使うのを止めてしまっているといいます。

そこで新製品では、空気や効果の見える化こそ、空気清浄機の普及率向上の鍵と睨み、スマートフォンと連携して室内や周辺地域の空気情報を表示。

空気が綺麗なら青バック、汚れていれば赤バックで表示するなど、運転状況により、室内の空気がいかに綺麗になっているか、あるいは汚れているか、ユーザーが実感できるよう工夫しています。

具体的には屋外の天気、気温、湿度、花粉やPM2.5の濃度といった情報を気象庁などの予報データから取得。室内の空気は搭載するセンサーで分析して表示します。

最上位機のKI-HX75では人工知能も活用し、ユーザーの使い方や好みを学習して運転を自動で切り替える機能も搭載。

例えば、毎日就寝前に「おやすみ運転」モードに運転を切り替えて使っていると、その使い方を覚えて、ユーザーが切り替え忘れても自動で切り替えるようになります。

花粉や黄砂の情報をクラウドとやり取りして、飛散量の多い日は「花粉運転」に自動で切り替えたりもするので、花粉症の人やPM2.5が気になる人には大変便利ですね。

また、KI-HS40以外では、PM2.5濃度のデジタル表示にも対応しています。

目に見えない、人によって感度やアレルギー反応等の異なる部分なだけに、小さな子供や赤ちゃんのいる部屋の空気を清潔にしたいという家庭には大変重宝する機能と言えるでしょう。

価格はもちろんオープンで、実売想定価格は以下の通りです。

適用目安が、~21畳用のKI-HX75が税別83,000円。
同じく~16畳用のKI-HS70が税別65,000円。
~13畳用のKI-HS50が税別55,000円。
~10畳用のKI-HS40が税別45,000円。

スペック表の見方の話になりますが、加湿空気清浄機の適用畳数目安(適用床面積目安)は、「加湿空気清浄」「空気清浄」「加湿」でそれぞれ異なります。

シャープさんの場合は「プラズマクラスター適用床面積目安」が基本となる適用目安になっており、これはもちろん同社の独自基準です。

加湿空気清浄の場合は、それぞれ~28畳、~24畳、~22畳、~18畳となります。

空気清浄適用畳数は、メーカーによってプレハブ洋室、木造和室で項目を分けている場合もあったりするので注意してください。

よく分からない場合、基本的に一番小さい数値を見て判断すれば、購入したあとで「パワー不足」で不満になることはありません。

加湿空気清浄機の適用目安は導入できる畳数の最大値と考えた方が分かりやすく、例えば6畳のワンルームで使いたい場合、スペック上はどれもオーバースペックに見えますが使えないことにはならない訳です。

むしろ、適用目安が大きいものほど、室内をより短時間で快適にできるので、適用目安内の中で本体の大きさや機能、価格などを見て検討すれば良いということになります。

話が少し横道に逸れました。今回のシャープの新製品を見ていて気になったのは、人工知能搭載が最上位機のKI-HX75のみで、最下位機種KI-HS40では、クラウド対応まで見送られていること。

スマートフォンを当たり前に使いこなし、クラウド機能も手取り足取り教えなくてもどんどん活用してくれそうな若い世代にとっては、小型のモデルのほうがより身近な製品になると思うのです。

結婚して子供ができてリビングに置くことになった場合でも、都心部ほど~21畳用では大きすぎると感じる住宅事情の家庭が多いはず。

逆に高齢者になるとクラウド機能は使いこなせない余計な機能と見なされることもあり、お金があって広い家に住む田舎のじっちゃんばっちゃん世帯には、KI-HX75の新機能は響かないと感じます。

ユーザープロフィールとニーズを考えると、大型のものほど機能も操作もよりシンプルにして、小型のものほど他の情報端末と連携した便利機能が使えた方がマッチするのではと考えてしまいました。

コストとの兼ね合いがあるので、そう簡単には行かないんですけどね!

売れ筋になるであろう、中級クラスのKI-HS70とKI-HS50のクラウド対応が販売現場でランクアップを訴求する材料としてどれだけユーザーに響くか、最上位機KI-HX75の人工知能がどれだけ憧れの機能として映るか、そのあたりがヒット商品になるかどうかのポイントかなと思いました。

ちなみに同社では、エアコンなどのメジャーアプライアンスに比べると、空気清浄機は未だまだ一般世帯への普及率が足踏み状態にあると分析しています。

日本電機工業会の出荷統計と内閣府の消費動向調査では、2016年度の普及率は42.6%、2017年度の出荷台数は205万台を予測しています。

空気清浄機の普及率がなぜ50%を越えられないのか。この辺り、調査を広げて考察してみたら面白そうだなと思いました。どこか書かせてくれないかなぁ。