シャープのCEATECブースを取材、カラー電子ペーパーが気になる!

幕張メッセで開催しているCEATEC 2022のシャープさんのブースを取材した記事が、マイナビニュースさんに掲載されました。

CEATECのリアル開催は3年ぶりで、久しぶりの展示会仕事でした。最近のCEATECはBtoBの提案がほとんどになっていて、BtoC向けをメインに展示するところはまずありません。シャープさんもBtoB向けをメインとしつつ、BtoC向けの提案も行っている形。

記事では、BtoC向けをメインに、BtoB向けでも一般消費者が興味を抱きそうなものを取り上げました。具体的には、カラー電子ペーパー、反射型IGZOディスプレイ、屋内光発電デバイス「LC-LH」、睡眠センサー連携AIoTエアコン制御、生理用品のIoT収納と月経周期の自動推定記録、既に発売中の完全ワイヤレスイヤホン型補聴器「メディカルリスニングプラグ」を取り上げています。

私が一番気になったのは、カラー電子ペーパーです。近年は小説や新書の類いはKindle Whitepaperで読んでいて、コミックはPC上でKindle for PCで読んでいます。本棚が不要になってすっきりしたものの、Kindle Whitepaperはモノクロなので、カラフルな挿絵や写真があった場合、どうしても見劣りしたり、よく分からない図になっていたりするのですよね。あれがカラーになったら便利だろうなあと思ってしまうわけです。もちろん、価格やバッテリーの持ちを無視して飛びつくほどの必要性は、いまのところ感じていません。それでも買い替える時には選択肢に必ずのぼるでしょう。具体的な製品の登場が楽しみです。

あとは、BtoB向けで電子棚札などへの提案がされていた「LC-LH」も、時計やカレンダー、伝言板、リモコン等に使えるのではないかと感じました。家庭の明かりは、オフィスや店舗の明かりより暗くなりがちですが、設置場所を工夫すれば間に合うのではないかなと思うのですよね。

そうそう。近年になって女性(Female)と技術(Technology)を掛け合わせた「FemTech(フェムテック)」という造語が登場しました。女性の健康課題をテクノロジーで解決に導こうというもので、シャープさんの展示の中では、トイレなどに設置する生理用品用のミニボックスをクラウドと連携させ、残量をスマホで確認できるようにしたり、月経周期を自動的に記録しようという試みが提案されていました。先日取材したカシオさんのコルポカメラなども、フェムテック製品と呼べるのかななどと考えてしまいました。いずれは男性向けのメンテックなんてものも出てくるのかもしれませんね。

シャープがカラー表示対応の電子ペーパー出展、エアコン+ベッド連携で快適な制御も – CEATEC 2022

過去最大規模となったゲームショウ2019

9月12日~15日に幕張メッセで開催された、ゲームショウ2019のレポート記事を家電Bizさんに掲載していただきました。

一時期ぱっとしなくなっていたゲームショウですが、近年は盛り返してきていて、今年は過去最大規模の出展者数でした。

その原動力の1つが、eスポーツの追い風を受けるゲーミングPC市場です。PC本体、周辺機器ともに、高性能でデザインセンスの良い製品がどんどん増えています。実況の為のマイクとカメラ、キャプチャボードなど、これまでのゲーミングではあまり考えられなかった商品も引き合いが増えているそうです。

あまりゲームのタイトルは詳しくないので、記事ではそこらへんはさらっと流しています。

私が気になったポイントの一つが自作PC。キラキラピカピカの進化はもちろんですが、PC本体の中が覗ける透明ケースで、グラフィックボードの上で3Dの初音ミクが踊っていたりすると、もはやPCの自作は低コストや高パフォーマンスをせめぎ合うのとは違う領域に来ているのだなと感じてしまいました。

来年は、9月24日(木)~27日(日)開催です。

eスポーツや周辺商材の動きにも期待 ゲームショウ2019レポート

理工系のアイテムがてんこ盛りだった「Techno-Frontier 2018」

4月19日(木)、20日(金)と、幕張メッセで開催の「Techno-Frontier 2018」へ行ってきました。日本能率協会が主催し、448社/870ブースが出展する、メカトロニクス・エレクトロニクス分野の要素技術と製品設計支援の専門展示会となっています。


Techno-Frontier 2018に行きました

少々小難しい印象かもしれませんが、専門性が高いという意味ではその通り。来場者の約半分はエンジニアや研究職が占めるとされ、ブースに立つ説明員も社内の技術者がそのまま来ていて、来場者とディープな情報交換をしていたりするのが特徴です。

Techno-Frontierは複数の専門展示会で構成していて、最も歴史の古いのが36回目となる「モータ技術展」。モータ技術展は会場の面積が最大で、ブース数も多く、大小様々なモーター及びモーター関連製品と技術がてんこ盛りです。出展者も自身を機械屋と呼ぶような人たちばかり。ただ、最新のモーター制御技術は、やはりITの力が必須ですし、製造設計の面でもIT技術を駆使しています。

正直なところ、モーター周りは一番よく分からず、写真も上手く撮れませんでした。もう少し勉強しないといけないですね。

会場はモータ技術展を中心に、モーション・エンジニアリング展、メカトロニクス技術展、機械部品・加工技術展、電源システム展、エコ・パワーソリューション展、EMC・ノイズ対策技術展、熱設計・対策技術展、AI/IoT活用技術展が並び、さらに隣接ホールでは、国際ドローン展、駅と空港の設備機器展も同時開催していました。

かつてPC雑誌を作っていた関係で、「電源」や「放熱」といった言葉にはピクッときてしまうのですが、Nipronさんのブースでは「ディープラーニング用電源」や「データマイニング用電源」を参考出展していて、こんなものまで出ていることを初めて知りました。確かにディープラーニングやデータマイニングは、通常のサーバーよりも、長時間に渡る連続高負荷運転が必要になり、電源や排熱も特別なものを用意したほうが有利だなと気付かされます。


ディープラーニングやデータマイニング用の電源を参考出展するブース

放熱も、PCでは考えられない巨大なヒートシンクが並んでいましたし、日本ゼオンさんのブースで展示していた、シール状になっていてハサミで自由に形状を変えられ、厚みのムラを抑えられる放熱シートなどもユニークで目を引きました。


チップとヒートシンクの間に挟む放熱シートのデモの様子

電磁シールドのノイズ低減システムも興味深いものがいろいろ並んでいました。個人的に印象的だったのは、スイスのMontena社製の巨大な核電磁パルス試験システムを紹介するブースで模型を設置して、我が国の自衛隊にも導入が必要だと力説していたこと。こんなものまで出ているのかと思いました。北朝鮮の金正恩委員長が韓国の文在寅大統領と電撃会談する一週間前のことで、朝鮮半島が戦場になりそうだという機運が高まっていただけに、普段以上に説得力がありました。防衛省関係者が来場しているのかは不明ですが。


核電磁パルス試験システムの模型

一般に市販されそうなアイテムで注目したのは、ユニファイブさんのUSB PDアダプタ。いわゆるUSB Power Delivery対応の充電器です。ノートPCやスマートフォン、タブレット、デジカメ、モバイルゲーム機、外付けHDD、あるいはインクジェットプリンターなど、USBで充電する機器の対応電力数の違いを自動的に調整します。60Wや45W、30Wなど対応する電力ごとにアダプタを使い分ける必要がなく、全部1つに集約できるのはなかなか魅力。この夏から受注を開始するとのこと。


さまざまなUSBデバイスの給電に対応するUSB PDアダプタ

最後に来場者の人だかりが一番だったコンテンツに触れておきます。それは、埼玉自動車大学校さんの学生が製作した、実際の自動車のカットモデル。ホンダ レジェンドやフィット、日産 ノートなどをカッターで綺麗にカットし、内部構造を剥き出しにして見せていました。通常は見られないエンジンやモーターなどの内部も、分かるようにカットしていて、デジカメやスマホを持った手を伸ばし、接写する来場者が何人もいました。


自動車のカットモデルの展示


デジカメやスマホで熱心に撮影する来場者がいっぱい

専門性が高すぎて、普段の守備範囲を大幅に越える内容の展示会でしたが、難しくて分からない物が多いなりに視野が広がって面白かったです。