2023年のエアコン販売動向は記録的猛暑にも関わらず昨年以下(GfKのリリースから)

リサーチ会社のGfK Japanさんが、家電量販店における2023年1~8月期のエアコン販売動向を発表しました。この内容が興味深かったので取り上げます。

2023年の夏は記録的な猛暑・残暑で、5月17日に岐阜県揖斐川町で35.1℃を記録して全国初の猛暑日となったのを皮切りに、東京では観測史上初となる8月の全ての日で気温が30℃以上となる真夏日を記録。東京以外でも年間の猛暑日最多記録を更新する市区町村が相次いでいます。

8月上旬は全国各地でその地域の観測史上最高気温が更新され、40℃を超える観測が幾つもありました。群馬県桐生市では9月19日に年間猛暑日が国内歴代最多の46日となり、岩手県釜石市などでは過去最も遅い猛暑日を記録しています。

9月に入ってからも暑さは続き、30℃でも風があるだけで「今日は涼しいね」なんて会話が出るほど、暑さに慣らされてしまっている印象があります。

ここまで暑いとうんざりしてきますが、実は家電業界では暑い夏と寒い冬は福音。「暑いねえ」「寒いねえ」なんて挨拶も笑顔で交わされがちです。なぜなら、季節商品の販売が好調になって業績が上向くからです。

それならば今年の家電量販店はさぞかし潤っているのではないか。そう思う人もいるのではないでしょうか。実際はそうとも言えず、今年の家電業界は元気がありません。コロナ禍前の定額給付金等の施策による高需要の反動や、巣ごもり需要による家庭内備品の買い替えが一段落したことで、全体的に落ち着いてしまっているのです。

この傾向は季節商品であるエアコンについても同様で、GfKの調査によると2023年1~8月期の家電量販店におけるエアコン販売動向は前年や前々年に比べると振るわなかったそうです。販売台数は平年比13%減、前年比8%減となっています。

猛暑となった7月と8月こそ、前年よりは大きく伸びており、特に北海道や東北地区では前年の2倍を記録。しかし、エアコン販売は早期購入の傾向が高まっており、3年連続で5月の販売が8月を上回っているとのこと。この早期購入の傾向は以前もどこかで耳にしました。富士通ゼネラルさんだったかな。はっきり思い出せず…。

もちろん、9月に入ってもまだ残暑が厳しいこともあり、9月以降の販売台数によっては、年間のトータルでは前年を超える可能性もまだあります。ただ、気象庁は長期予報でこの冬は暖冬傾向としており、あまり楽観視はできません。恐らく、年間でも2022年を下回るのではないでしょうか。

【GfK Japanニュースリリース】2023年エアコン販売動向 高需要の反動で前年を下回る

エアコンの新省エネ表示法について量販店の取り組みを聞く

夏の節電に絡めた、エアコンの新省エネ表示法について、ビックカメラ 有楽町店さんに取材した記事が、家電Watchさんに掲載されました。

先日の富士通ゼネラルさんが主催した家庭用エアコンの省エネ基準勉強会がベースにあり、その裏とりと、消費者目線での注意点、店頭の取り組みなどを語ってもらったような感じです。

エアコンの省エネ性能を示す「省エネラベル」のデザインがリニューアルされていますが、そもそもこのラベルが何なのか知らない人も、まだそれなりにいるのではないかと思いましたし、どうやって見るのか分からない人もいるはずです。電気料金目安がリアリティのある数字なのかと首を傾げている人もいるでしょう。そうした人には役に立つ記事だと思います。

エアコンの型落ちした旧製品を安く購入するのが難しくなっていることや、寒冷地じゃなくても寒冷地仕様が購入できることなども紹介しました。

またエアコンを買い替えるなら店頭が混雑する前のほうが良いことにもふれました。これは私の記事に限らず、エアコンの買い替え記事ならば十年以上前から業界人の誰もが指摘しています。

実際、店頭ではいまだに暑い盛りや、寒さの厳しい時期が一番混雑するそうです。取り付け業者はフル回転でも追いつかないため、工事待ちの期間が長くなってしまいます。工事を丁寧にして欲しいと考える人も、繁忙期より閑散期に依頼するほうが安心なのです。涼しいうちに記事にできて良かったです。

【夏の節電】エアコンの省エネ表示方法が変わった? 待たずに賢く買う方法をビックカメラで聞いた

富士通ゼネラルさんのメディアセミナーで、家庭用エアコンの新省エネ基準についてお勉強

富士通ゼネラルさんの「家庭用エアコンの新省エネ基準及び市場の動向について」と題したメディアセミナーに出席しました。たまに各社によるこうしたお勉強会に出ていますが、とても参考になってありがたいです。

富士通ゼネラルさんはエアコン「ノクリア」シリーズを展開している空調機器メーカーです。

家庭用エアコンにおけるトップランナー制度のこれまでの歩みから始まり、そもそもトップランナー制度とは何ぞやとか、目標年度がいまどうなっているのか、寸法区分が廃止されたこと、寒冷地が定義されたこと、時期目標基準の区分のまとめ、新しい省エネラベルの表示制度など、興味深い話がいろいろ聞けました。

トップランナー制度とは、省エネルギー基準を現在商品化されている製品の中で最も優れた製品の性能以上に設定し、さらに技術開発で将来到達が見込まれる性能まで考慮して内容を吟味した決まりのこと。エアコンの性能はAPF(Annual Performance Factor)という、消費電力量1kWh当たりの冷暖房能力で示されます。単位はkWhです。

要するに現在の高級機のAPF値が、目標年度以降に達成すべき基準になるよという話で、そうなるとエアコンの平均価格が上がって消費者の経済的負担が増すよということが、いま業界で問題になっていて、色々対策も練られている訳です。現在、エアコン業界で定められている目標年度は2027年です。

エアコンには寒冷地仕様のモデルがありますが、肝心な寒冷地の定義が今までなかったそうで、2050年のカーボンニュートラル達成に向けて寒冷地区分が設定されました。これも「え、そうだったの?」と驚きました。確かにこれまでは漠然と、冬になると雪深くなる寒い地域という認識で、北海道・東北・北陸のイメージでした。考えてみれば、もっと南の地方でも標高の高い場所は雪深くなります。そうした場所も具体的な地名として定義されたのですね。

また、一般社団法人 日本冷凍空調工業会で、寒冷地仕様の機種の別称として「暖房強化型」が業界統一用語として定義されました。今後、各社のカタログや販促物での記載を促していくとのことです。

新しい省エネラベルでは、より細かな段階評価が明示され、年間消費電力量に基づく電気料金の目安もより大きな表記が求められます。

この電気料金の表記についての話の中でちょっと興味を引いたのが、目安を決めているのが誰で、どの程度正確なのかというもの。去年の8月に都内電気料金の目安単価が税込27円/kWhから税込31円kWhになりましたが、この目安単価を決めているのは、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会なのだそうです。

家電量販店のエアコン売り場などで掲示される省エネラベルの電気料金の表記は、この協議会が出した数値を基に計算されています。電気代が値上がりしているため、製品ごとで見るとすでに実態と合わない数字になっているものの、この数値は製品を横並びで比較するためのものなので、刻々と対応する予定はないとのことでした。

もっといろいろと大事な話はあったのですが、ここではとりあえず説明しやすくて目立った話だけ紹介しました。またお勉強の機会があれば積極的に参加したいです。

1,000ppmってどのくらい?CO2センサー搭載で換気を促すシャープのエアコン

シャープさんのエアコン2023年モデルが発表されました。2023年1月の発売予定。プラズマクラスターNEXTを搭載し、COCORO AIRにも対応する、フラグシップとなるR-Xシリーズです。

R-Xシリーズ説明会の展示の様子

R-Xシリーズでは国内の家庭用エアコンとしては唯一となる二酸化炭素(CO2)センサーを搭載し、室内の濃度が基準値を超えると本体のランプの色やリモコン、スマホのアプリなどでお知らせし、窓開け換気を促します。

CO2濃度を正しく検知して換気を促します

エアコン業界では当たり前でも、一般消費者には意外と知られていないこととして、「普通のエアコンの室内機から出てくる風は外気ではない」という知識があります。エアコンは室外機と繋がっているため、室外機から空気を取り込み、室内の空気と入れ替えながら風の温度を調節しているイメージが強いのですが、実際は室内の空気を循環させているだけです。室外機とは「室温」を行き来させていて、空気は移動しません。

つまり、普通はエアコンを稼働しても換気できません。エアコンのフィルターで室内の空気の汚れが取り除かれることはあっても、空気中の酸素や二酸化炭素の濃度に作用することはないのです。

とはいえ、最近はこの風潮にも変化が出てきていて、上位モデルの中に換気機能を搭載するメーカーが増えてきています。その多くは配管(ダクト)を利用して上記イメージに近い吸気換気や排気換気を行います。

そんな中、シャープさんのエアコンは窓開け換気を促すという、いささかアナログなアプローチに感じます。シャープさんによると窓開けによる換気能力はエアコンに換気機能を搭載して実施するより遥かに優れていると言います。このため、コストアップを抑えて換気するには、ユーザーに窓開けを促すのが一番との結論に達したそう。換気のための窓開けは概ね5分程度で大丈夫とのことです。

換気の終了も検知して自動で暖房のパワーを高めます

エアコンの運転中に換気のために窓を開けると、冬場なら室温が下がるため、室温を保とうとするエアコンには余計な負荷がかかり、電気代が上がって省エネにならないと感じるかもしれません。しかし、5分程度の換気で窓を閉めれば、それほど負荷にならずに運転が続けられるとのことでした。

ランプはエアコン本体の電源やWi-FiのLEDランプの並びにあります。換気を呼びかけるCO2濃度は標準では、1,000ppmとなっています。この1,000ppmという数値は厚生労働省が換気を推奨する濃度です。基準値を超えるとLEDの色がグリーンからオレンジ、レッドへと変化し、音声で窓開けを呼び掛けます。

CO2濃度が高くなっていると「CO2」のLEDランプがオレンジに

説明会場では濃度1,000ppmを検知する様子や、検知した後の動作について説明を受けました。しかし、実のところ1,000ppmという基準値の深刻性がまったくピンときませんでした。

説明会のあとで私が勝手に調べた情報ですが、二酸化炭素濃度による人体への影響は個人差があるもののだいたい以下が目安になります。1,000ppmという基準値はもちろん、その前後についても、こういう目安がないと必要性がイメージしづらいでしょう。

リビングなどに人が集まると、CO2濃度は急速に上昇します。火を使う料理など楽しもうものなら、1,000ppmはあっという間に超えますし、そうでなくても1~2時間滞在すれば超えてしまいます。適度な換気が必要です。

R-Xシリーズでは窓開けを喚起するCO2濃度基準値は、スマホのアプリから100ppm単位で調整可能になっています。1,000ppmでは頻度が高すぎてうるさいと感じる場合は、1,200ppmなどに調整したり、CO2濃度に敏感ですぐに頭痛や眠気を覚えるようなら、800ppm程度に抑えたりすると良いかもしれません。

換気を促す濃度はスマホアプリ上で調整可能

CO2濃度が十分に下がると、LEDランプがグリーンになり、「お部屋の空気が新しい空気に入れ替わりました」と音声でも知らせます。窓を開けたままだと、今度は電気代がかさむので速やかに窓を閉めようということになります。「窓を開けてもちゃんと換気できているのか分からない」という人にも良い機能だと思います。

ちなみにR-Xシリーズが採用するCO2センサーは、高性能な光音響方式。安価な半導体方式では、センサー周囲でアルコールスプレーを使うと誤検知してしまうといった問題がありますが、光音響方式ではそうした心配がありません。

CO2センサーの半導体方式と光音響方式での違いを実演。半導体式はアルコールスプレーで顕著に誤検知していました

お部屋の換気に気配りしたい人は注目してみては如何でしょうか。

対応畳数、型番、市場想定価格は以下の通りです。

主に26畳向け「AY-R80X2」…44万円前後
主に26畳向け「AY-R71X2」…42万円前後
主に26畳向け「AY-R63X2」…40万円前後
主に26畳向け「AY-R56X2」…38万円前後
主に26畳向け「AY-R40X2」…35万円前後
主に26畳向け「AY-R36X」…34万円前後
主に26畳向け「AY-R28X」…33万円前後
主に26畳向け「AY-R25X」…32万円前後
主に26畳向け「AY-R22X」…31万円前後

パナソニックの換気のできるエアコン&シワとり・消臭コースを新搭載のドラム洗

パナソニックさんの「エアコン&ドラム洗 新製品説明会」に参加しました。エアコンは「Eoria LXシリーズ」と「Eoria Xシリーズ」、ドラム式洗濯乾燥機は「NA-LX129B」「NA-LX127B」。いずれも最上位モデルです。

LXシリーズでは、吸気換気に「排気換気」を新たに追加し、換気しながらナノイーXで有害物質を抑制できるようになりました。室外ユニットに新たな弁を搭載して切り替えることで実現。また、エネチャージ「極上冷暖房」を強化し、「すぐでる暖房(AIチャージ)」や「しっとり冷房」を搭載しています。

Eoria LXシリーズ

エアコンは室内機と室外機がホースでつながっているので、それを通じて熱を逃がすときに室内の空気も換気していると思う人も多いと思います。かつては私もそう思っていました!しかし、実は空気の動きは外は外、中は中で切り分けられていて、ホースは熱を移動させているだけ。エアコンの冷暖房や送風では、室内の空気は換気しないのです。

昨今、換気機能を備えたエアコンも登場していますが、空気の入れ替えの時に課題になるのが、PM2.5や花粉が室内に取り込まれてしまうことです。パナソニックさんのエアコンは、ナノイーの働きでこれらを不活化して室内の空気の清潔性を保ちます。担当が「エビデンスは取得できています!」と胸を張っていたのが印象的でした。

一方、ドラム式洗濯乾燥機は、清潔と手間軽減の二軸での訴求がコンセプト。

NA-LX129BとNA-LX127B

新搭載の「シワとり・消臭」コースは、スチームで衣類の気になるシワやニオイを取り除くというもので、頻繁には洗濯しない衣類のお手入れに便利。

会場では、実際に着用して付けたパンツのシワをシワとり・消臭コースで取る実演も見られました。同じ程度のシワのパンツを並べ、一方だけシワとり・消臭コースでシワを取って比べました。

左がシワとり前、右がシワとり後

窓パッキングの裏の糸くずを洗い流す窓パッキング洗いや、お手入れしやすい形状の排水フィルターなども独自の使いやすさになっています。

また、運転終了後に取り忘れアラームが10分間隔で鳴る機能も搭載しています。ドラムのドアを開け、洗濯物を取り出さないと止まらないそう。

これはちょっと首をかしげました。衣類がシワにならないようにという気遣いなのは分かるのですが、乾燥機を回したまま出かけて、帰宅すると出来上がっているという乾燥機の使い方も多いと思うのです。その場合、終了後すぐに取り出さないとアラームが定期的に鳴るという仕様は、近所迷惑になりそうだと感じてしまいます。アップデートでアラーム機能自体をオフにするか、スマホからアラームを停止できるようになると良いなと思いました。

スポットクーラーはどこまでエアコン代わりを期待できる!?

エアコンの導入できない部屋で涼を取るための、スポットクーラーや扇風機の人気モデルについてビックカメラさんで取材した記事が、家電Watchさんに掲載されました。家電Watchさんでの執筆は初めてです。

取材に協力してくれたのは、ビックカメラ 池袋本店 季節家電コーナーの山下祐里主任です。

季節家電は季節ごとに売り場の見せ方がごろっと変わります。置いている商品や展示スペースも、春夏秋冬で大きく異なります。もちろん、壁際にエアコンの白い室内機がズラッと並ぶのはいつでもどこの店でもお馴染みの共通点ではあるのですが、春から夏に掛けては扇風機やサーキュレーター、除湿機などが広い面積を取り、秋になるとそれらに替わってこたつやストーブ、ホットカーペット、電気毛布、加湿器などが並びます。このうち、こたつは冬になる頃にはもう見かけなくなりがちです。

今回はスポットクーラーが話の中心。室内に設置して窓までダクトを伸ばし、熱を持った空気を屋外に排出します。最近見掛けるようになってきた家電で、以前よりお手頃価格で性能も良いものが出てきています。

エアコンと異なり、ダクトのスペースが必要になりますが、壁から動かせないこともなく、場合によっては室内の暖気を廊下へ逃がす、浸かっていない部屋へ逃がすといった使い方もできます。あとは換気のできないエアコンと違い、室内を換気できるので、狭い部屋や窓のない部屋で換気と冷房を一度に行う使い方も可能。取り付けの工事も不要です。

ただ、冷房能力ではエアコンのほうが高く、部屋全体の冷房には向いていません。個室の机の前、寝室のベッドの枕元、トイレや脱衣所など、ある程度限定したスペースの冷房に適しています。

実際、どのくらいの冷気が出るのか、ダクトの大きさや、窓への設置はどんな具合なのか、そういった疑問は店頭でぜひ確かめて欲しいところ。記事では個別の機種の特徴や、人気の機種、製品選びのポイントなども聞いています。また、スポットクーラー以外の冷房機器についても話を伺っています。なかなか楽しい取材でした。

エアコンに代わる冷房を量販店で探そう。最近注目のスポットクーラーは期待できる!

エアコン試運転のススメ

エアコンの試運転が必要な理由や正しいやり方について、エアコンメーカー各社にヒアリングしたレポート記事を、マイナビニュースさんに掲載して頂きました。

各社へのヒアリングは、私ではなく担当編集がメールでやり取りしました。多くはメーカー広報が回答してくれたものですが、その回答をすべて紹介していると間が持たないので、各社から1つか2つ回答を拾うようにしました。そこのバランスを取るのが結構大変でした。

本当は掲載したいけれど、同じメーカーばかり出てくるのは避けたいという思惑があった訳です。それがどこだったとは、敢えて言いませんけれど(笑)

編集からは「ブレーカーでエアコン電源の項目が専用に切り分けられているケースは一般的なのか」と突っ込まれて、一般的だと思っていたのもので回答に困ったのが印象的でした。

古い家屋だとエアコンが付いていないのも普通で、私の実家にあったブレーカーも記憶にある限り、分かれていませんでした。なにしろエアコンが家にありませんでした。しかし、新しい家屋だと分岐しているケースが多いようです。

エアコンはコンセントからいわゆるタコ足配線で使わないよう、専用の電源が用意されることが多く、私はそれは電気用品安全法(PSE)で決まっているものだと思っていました。

しかし、本当にそうなのかと突っ込まれて調べてみると、法律で決められている訳ではなく、「そうしないと危ないから」という理由で工務店など電気工事業者の間ではブレーカーで分岐するのが常識になっているだけなのだそうです。

このあたり、原稿では触れていませんが勉強になりました。

あと、エアコンの排水ホースが害虫の侵入口になるのは本当です。我が家でも実際にありました。天井付近の室内機のそばの壁を黒いものが這っているのを見付け、「出やがったな!ぶっ殺す!」と戦闘態勢に入ると同時に、「なぜエサになるものもないそんなところに…」と感じたものですが、侵入経路になっているのですね。

防虫キャップや100均やWeb通販で簡単に入手できるので、暑くなる前に取り付けておきましょう。

エアコンの試運転が必要な理由 – 夏本番の前に離れて暮らす家族にも伝えよう

除菌スプレーをエアコンに吹き掛けるのはダメ!エアコンの故障原因にもなるアリの巣状腐食を誘発

三菱電機さんのエアコンと除菌スプレーに関する注意喚起のリリース記事を、家電Bizさんに掲載して頂きました。

室内で除菌スプレーを使用する場合、エアコンに直接吹き掛けると、電子基板やセンサーが故障したり、熱交換器にアリの巣状腐食が起こって「冷えない」「暖まらない」などの症状が起きることがあるので気を付けましょうという呼び掛けです。

新型コロナの影響で除菌スプレーを利用する消費者が増えており、三菱電機さんの調査ではアリの巣状腐食の報告件数が伸びているそうです。記事ではニュースリリースをベースに、売り場でセールストークに織り交ぜるネタの1つとして使えるのではないかと提案してみました。

アリの巣状腐食の詳細や対応策などは記事をご参照ください。

三菱電機が注意喚起 除菌スプレーがエアコンの故障原因になる!?

家電Bizでキャッシュレス決済の記事を担当

クロスさんが発行元の家電流通専門誌「家電Biz」の2019年春号が刊行されました。書店では販売していない定期購読専用の雑誌です。

この号では、特集「2019年度国内家電需要予測」の一部(Part3)や、PayPayさんに取材してのキャッシュレス決済の記事、エレコムさんのPCバッグの拡販策、社名変更したDynabookさんの変わるところと変わらないところ、エアコンのIoT化の流れなどの記事を担当しました。

家電需要予測は、家電Bizの前身であるIT&家電ビジネスの頃から、年に一度の目玉企画です。実はこれ、物凄くしんどい作業なんですけれどね。あちらこちらのメーカーさんにも協力を仰ぎ、入手できるあらゆる関連データを集めて突き合わせ、矛盾のない数値を導き出していきます。

作っていて面白かったのは、キャッシュレス決済の記事で、PayPayさんが「ライバルは他のキャッシュレスサービスではなく、日本円という紙幣と硬貨だ」と話していたこと。 なるほどと思いました。 日本円が世界最強と言われるのは比喩でも何でもなく、日本経済という経済力に裏打ちされたドルに次ぐハードカレンシー。中国の元はハードカレンシーではないので、GDPで世界第二位と言っても通貨の力は日本円のほうが上です。全国津々浦々で問題なく利用され、お釣りで困ることもほとんどなく、偽札の被害も極めて少ない古今稀に見る優秀な通貨です。

しかし、その優秀さゆえに、キャッシュレス化するメリットが一般消費者には見えづらいんですね。ちなみに中国でキャッシュレスサービスが物凄い勢いで普及したのは、通貨「元」の偽札の流通量が尋常ではないからという側面があります。銀行のATMからも偽札が平然と出てくると言われています。アメリカのドルやEUのユーロも日本円に比べると、偽札の流通量は数百倍とされます。庶民の通貨に対する信頼の高さが、普及の足枷になってしまうとは、日本らしい話ではあります。

実際のところ、日本円の偽札を偶然手に入れたら、あまりの希少さに警察に届けるのを忘れて記念に仕舞ってしまいそうです。その偽札を、偽札と知っていて使用すると犯罪になるし、所持するだけでもなにかに引っかかる可能性があるので注意しましょう。

脱線してしまいました。PayPayさんによれば、キャッシュレス化のメリットは、大企業より、特に中小の小売店や飲食店が大きいそうです。毎日のレジの精算作業がラクになるというだけでも、そのメリットには興味が湧くのではないでしょうか。興味のある方はぜひ。

家電Biz 定期購読受付

家電Biz夏号にエアコンとクリーナーで寄稿

クロスが発行する家電流通プロフェッショナルのための専門誌「家電Biz」夏号に寄稿しました。紙の仕事は久し振りです。

エアコンとクリーナーの記事で、多くのメーカーを回って取材したのですが、回りすぎて一社あたりの紹介スペースが十分に確保できなかったのは反省点になりました。もっと一社ごとで書きたい内容があって勿体無い限り。随分以前にも、似たような失敗をした覚えがあって、気を付けねばならないなと思いました…。

2017年度のエアコン市場は非常に好調で、JEMA統計で905万台の出荷、金額ベースで7343億円超でした。エコポイントで特需となった2013年度に次ぐ高水準。GfKの調査では販売台数、金額ともに前年度比106%です。

こういう話、消費者はあんまり興味がないかもしれないですが、業界では結構大きな話なのです。

家電Bizは時事性の高い情報はウェブに掲載しています。ウェブサイトは特に購読などしなくてもブログ形式で読めますので、流通情報に興味のある方はぜひ一度覗いてみてください。


家電Bizのウェブサイト

ちなみに家電Bizは、リックが30年以上に渡って発行してきた「IT&家電ビジネス」(旧名「家電ビジネス」)が前身となっている書店では販売していない、いわゆる業界誌です。IT&家電ビジネスは2017年に発行会社の倒産に伴って廃刊となっており、家電Bizは元編集部のメンバー達がクロスに移籍して制作しています。

実は私は2007年から2014年まで、このIT&家電ビジネスに編集者として関わっていました。流通の仕組みや店舗の見方など、様々なことを学ばせてもらったものでした。

家電Bizの仕事は、いわば古巣での仕事だった訳ですが、いろいろと勝手も異なって、後になってみると「もっと上手くやれたはずだったなあ」と感じる次第です。もっとも、取材で回っている間は昔を思い出すようでそれなりに面白かったんですけれどね。家電は面白いです。


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