旭酒造さんの純米大吟醸「獺祭」の取材記事を、サーイ・イサラさんの2月号に掲載して頂きました。紙媒体なので記事へのリンクはありません。
取材は旭酒造の桜井博志会長へのインタビューを中心に組み立てました。
日本酒好きなら獺祭と書いて「だっさい」と読むのは、もはや常識でしょう。華やかな香りとフルーティな味わいで日本酒好きの間で人気となり、普段日本酒を嗜まない人まで虜にして、日本酒の数ある純米大吟醸の市場で1ブランドだけで1割ものシェアを占めるに至った怪物ブランドです。
取材は獺祭がいかにして産まれたのか、どのような工夫や試行錯誤の積み重ねがあったのかを中心に行いました。桜井会長は倒産寸前の会社の後を継ぎ、「一発逆転のためには他と同じことをしていてはダメだ」と、伝統的な経験と勘の職人の世界に実験とデータ蓄積と合理主義を持ち込んで徹底的に「美味しい」を追究していきます。その過程もびっくりするようなお話ばかりで大変面白かったです。年末の忙しい時期の取材と執筆で目の回る思いでしたが、書いている時間が大変楽しかったのを覚えています。
ちなみに獺祭の「獺」はカワウソのことで、旭酒造さんの所在地である山口県岩国市の獺越(おそごえ)の地名と、桜井会長の好きな正岡子規の雅号「獺祭書屋主人」から名付けたそうです。
獺祭はカワウソが魚を獲物にするとき、捕った魚を川岸に並べていく様子が祭りのように見えることから、文書を作るときに参考資料を広げて散らす事を指します。子規は詩作のために病床の周囲の手が届く場所に資料を広げ散らしていたことからこのような雅号を使ったのでしょうね。勉強になりました。
サーイ・イサラ 2月号 日本のモノ語り 「第52回 獺祭(旭酒造)」