Kindle for PCのメジャーバージョンアップの完成度が恐ろしく低い

Amazon.co.jpさんが提供する「Kindle for PC」がメジャーバージョンアップしました。バージョン 2.0.0(70269)になっています。このバージョンははっきり言ってヤバイです。「ヤバイ」の言葉は昨今いろいろなニュアンスで使われますが、これは本来の意味通りのヤバイです。まったくオススメできません。バージョンダウンがオススメです。

私は小説や新書などほとんどが文字の書籍は、Kindle Paperwhiteで読み、コミックや実用書など絵や図が中心の書物はPCの「Kindle for PC」を使って読んでいます。

通常、バージョンアップしたアプリは使いやすくなったり、それまで使えなかった機能が使えるようになったりするものですが、「Kindle for PC 2.0.0(70269)」は、稀に見るダメなバージョンアップでした。ベータ版でもここまで酷い出来のものなど、そうそうお目にかからないです。

Kindle for PCはアップデートが自動的に適用されます。勝手にネットから新バージョンをダウンロードして、次回起動時に自動更新して起動します。手間がないのは良いのですが、新バージョンは起動するとコンテンツが一切表示されず、トラップ以外の何物でもありません。

コンテンツが空っぽになったのではなく、ウィンドウとメニュー以外は何も表示しないバグです。アプリを再起動してもダメ。Windowsを再起動してもダメ。

これは一旦、アンインストールして、インストールし直すのが良いかなと思ったところで、ふとタスクバーのアイコンの履歴からコンテンツを直接指定したら直りました。なんだったのだろうと思いつつ、直ったならいいかと読みかけのコンテンツを読み終えて閉じます。コンテンツも無事に表示されました。

スクロールが劇的に遅くなっています。普通のソフトは、バージョンアップすると表示が速くなるので、遅くなるのは極めて新鮮です。しかもスクロールバーで最後尾を表示しようとしても1行ずつ丁寧に読み込むため、何千冊もあるとスクロールするだけで何分も掛かります。

新バージョンはKindle Paperwhiteで以前から利用できるグループ機能が、PC版でも使えるようになったことが分かりました。これは良いんじゃないかと思い、早速、2つ3つグループを作ってみました。

コンテンツを範囲指定できないため、30巻あるコミックを1つのグループにまとめようとすると、30冊を1つずつ選択して登録する必要があります。100巻あったら100回クリックすることになります。ユーザーインターフェイスとして親切とは言い難いダメ仕様です。ちまちまと選択して登録を終え、コンテンツ画面に戻り、いざ登録したグループを開こうとしました。

開きません。

作ったはずのグループが消えています。

徒労感にさいなまれながら、アプリを再起動すれば戻っているのではないかと期待して再起動。

期待は綺麗に裏切られ、グループが復活するどころか、コンテンツ画面がまた真っ白になって、1冊も表示されなくなっていました。ダメダメです。超ダメダメです。一旦削除して再インストールしましたが、まったく同じ現象を繰り返すだけ。恐らくアップデートで更新されるまでこのままでしょう。

これを作ったエンジニアチームは、デバッグを知らないのかしらと疑うレベルです。呆れて笑っちゃいました。

ネット上で情報を探すと、どうやら同じ現象に悩むユーザーが多く、メジャーバージョンアップ前の最終バージョン「1.40.1(65535)」をアーカイブで提供するサイトを紹介している人がいました。アングラかもしれません。ファイル名は「kindle-1-40-65535.zip」なので、ファイル名で探せば、私が拾ったサイトがなくなっていてもどこかで見付けられるのではないかと思います。

バージョンダウンしたら、うっかり自動更新されないように[ツール]から[オプション]を開き、「一般」の「更新がある場合は自動的にインストールする」のチェックを外しておきましょう。備忘録を兼ねてメモしておきました。

Excelを使用した家計節約術

Excelを使用した家計節約術の記事が、日経BPさんの「日経パソコン 2023年3月27日号」に掲載されました。久しぶりに紙媒体のお仕事です。

ライターの後藤 宏さんのお声がけでのお手伝い。一部のページを担当しました。ネタは企画書を作った後藤さんが準備して、私はそれに沿って原稿を書き、画面を作ってキャプチャ。文字数の制限が厳しくて、操作手順をそのまま丁寧に書き出すと、規定の3~4倍になってしまうので削りまくって収めています。

スマホアプリでのポイ活のコラムも書きました。どのサービスとは言いませんが、相当使い込まないと通信費で赤字だよね?と感じるものもあり、ポイ活はゲーム感覚ならともかく、本気で稼ぐには厳しいものがありますね。

20年以上前に自分が作っていたパソコン雑誌と比べると、ビジュアルの面積が増え、読みやすくなっているのが実感できます。その一方で、変わらないところは変わらないのだなとも思います。昔取った杵柄という言葉を思い出すようなお仕事で楽しかったです。

建築業界で存在感を高める、パナソニックの照明シミュレーションツール

パナソニック エレクトリックワークス社(パナソニックEW)さんのリアルタイム照明シミュレーションツール「Lightning Flow」のメディア向け体験会をレポートした記事が、マイナビニュースさんに掲載されました。

Lightning Flowは一般消費者向けではなく、設計会社や建設会社、建築デザイナー向けのツールです。2021年3月に最初のバージョンが公開され、2022年末に大型バージョンアップを実施。公式サイトでは「Lightning Flow 2」の表記も見られます。

Lightning Flowを利用すると、3Dデータ上で照明をどこにどのように配置すれば、室内でどんな明るさが得られるかシミュレーションできます。従来、建築業界ではこの手の照明効果をシミュレーションツールが手軽に利用できない状況となっており、既存のシミュレーションツールと比較すると極めて高速に処理できるとのこと。

具体的に1フロアに81台の照明を導入した場合の照明計算が、業界最大手のツールで45秒かかるところ、Lightning Flowでは1秒。動揺に照明データのRevit反映に掛かる時間に至っては同じツールで約10分のところ、Lightning Flowでは4秒で終了するそう。シミュレーションにかかる時間を大幅に削減できるため、人件費などのコストに大きく影響することが伺えます。

10分と4秒では効率が150倍も異なるわけで、照明の台数が1,000や2,000に増えたとき、「待っているだけで終わるのだから」で済む差ではないことは容易に想像できるのではないでしょうか。

体験会では実際に設計段階でLightning Flowを用いた、パナソニックの施設「PERCH LOUNGE」を見学。設計時の照明のシミュレーションと、実際に完成した施設を様々な角度から見比べて、シミュレーションの精度の高さを実感できました。これは建築業界で利用しない手はないのではと思わずにいられない出来です。

更に言うと、このツールの一番の驚くべきところは、この完成度のものが無料で提供されていることかもしれません。もちろん、ユーザーが増えることによるパナソニックEWさんのメリットも決して少なくはないのですが、大手企業の体力って凄いなと改めて思わされました。

建築関係者は必見!? パナソニックの新しくなった照明シミュレーション「Lightning Flow」

ポケトーク、対面での外国人との多言語会話を翻訳するポケトーク同時通訳を発表

ポケトークさんの事業戦略・新製品発表会に出席しました。ポケトークさんは、ソースネクストさんから今年の2月1日にスピンアウトした子会社です。

ポケトークさんが代表製品のブランド名をそのまま社名にしたのは、欧米での展開を見据えてのことだそう。松田憲幸社長は「ソースネクストという会社がポケトークという商品を売るのではなく、ポケトークという会社がポケトークという商品を売るほうが、覚えてもらいやすい」と、その理由を説明していました。

アメリカでの売上推移は大変好調で、コロナ禍でも伸びるニーズがあるとしています。個人ユースより、ビジネスユースが多く、百貨店、倉庫、運転免許センター、病院、学校、警察などに納品していて、インフラになりつつあると述べていました。移民の多いアメリカは非英語話者も多いですからね。

近年はヨーロッパでも社会問題化するくらい移民が多く、ポケトークの引き合いはまだまだありそうです。

新製品は「ポケトーク同時通訳」です。これは1月にリリースされた「ポケトーク字幕」のアップデート版にあたり、ポケトーク字幕はシュリンクして、ポケトーク同時通訳に置き換わります。ポケトーク字幕は、多言語間でのビデオ通話時に翻訳を字幕表示するものでしたが、ポケトーク同時翻訳では対面などの環境でも、PC画面上に翻訳を表示します。

ポケトーク同時通訳のデモンストレーションの様子。右は松田社長

料金体系は未定で、この冬に正式にリリースするとのこと。また、ポケトーク字幕ユーザーがアップデートする場合、有料になるのか無料になるのか、有料なら割引はあるのかといったことも追って情宣となります。ポケトーク字幕がネットに繋いで使うサブスクのサービスであり、ダウンロードしてスタンドアロンで使うようなソフトではないため、自動的にポケトーク同時通訳に置き換わるだけかなとは思うのですが。

会場では実際にポケトーク同時通訳が試せました
現行のポケトーク字幕と新しいポケトーク同時通訳の違い

昨今は商談でもお互いPCを手元に置いて行うケースが少なくないようなので、外国人と商談する機会の多い人には「ポケトーク同時通訳」は便利なツールだと思います。表示される翻訳はそのままテキストデータとして残るので、外国語が喋れる場合でも議事録を残したいといった目的で利用できます。外国人のインタビューが多い記者などにも良さそうだなと思いました。私も今度そうした機会があるときは使ってみようかなと感じました。

ソースネクストから登場したリモート会議専用端末が気になる!

ソースネクストさんのリモート会議向け新ブランド「KAIGIO」の発表会のレポートをマイナビニュースさんに掲載していただきました。

ポケトークの新機能も同じ発表会で発表されたのですが、モノが違うので記事を分けています。

KAIGIOブランドの製品は、ソフトウェア2本と、ハードウェア1台がラインアップしています。ソフトウェアは会議室カメラ用ソフト「満面KAIGIO」と、リモート会議アーカイブソフト「全録KAIGIO」で、ハードウェアはリモート会議専用機「KAIGIO MeePet」となっています。

このうち、特に注目しているのが、KAIGIO MeePet。リモート会議専用端末って、ありそうでなかった商品なので、ソースネクストさんは良いところに目を付けるなぁと感心してしまいました。

リモート会議の設定って、イマイチ面倒なんですよね。リモート会議システムにもいろいろ種類があって、相手の使うシステムと合わせなければいけないし、それぞれで環境を調整しなきゃいけません。

なぜかリモート会議システムによってマイクがオンになったりオンにならなかったりする、スピーカーの音が小さくて音量を最大にしても声が聞き取りづらい、背景の画像を上手く替えられない、動きがカクカクで見づらい、画面キャプチャが上手く撮れない、会議しながらだとパソコンでメモが取りづらい、Webカメラや外部ディスプレイとの接続が上手くできない、会議室で使おうとしたらなぜかハウリングが治まらない…などなど。経験したことのある人も多いはず。

KAIGIO MeePetなら、Wi-Fiにつないでしまえばあとは面倒な設定もなく利用できるので、リモート会議システムの悩みから解放されるかもしれません。KAIGIO MeePetはユーザーの多い、Zoom、Microsoft Teams、Webex Meetingsのリモート会議システムに対応しています。個人的には、Google Meetを使うこともあるので、そちらにも対応してくれるとより便利に感じます。

もう1つ気になったのが、スケジューラーがOutlookにしか対応していないこと。アカウントを登録すればワンタッチでリモート会議の予定が組み入れられるのは大変便利なのですが、Outlookは業界内でも好みの分かれることで知られているツールなので、是非他のツールにも対応して欲しいです。これは強く強く願うところです。

リモート会議を快適にする専用ハードとソフト – ソースネクスト「KAIGIO」発表会から