シェアメディカルさんが、聖マリアンナ医科大学の小林泰之教授らと共同で、新型コロナの早期診断・重症化予測のための「AI(人工知能)聴診デバイス」の研究を行うと発表しました。
シェアメディカルさんは、聴診器デジタル化ユニット「ネクステート」を開発販売するベンチャー企業です。過去にはサーイ・イサラさんの技術系連載で取材したこともあります。
ネクステートの特徴は機械式聴診器の音をデジタル化することになり、医師がこれまで使ってきた自分自身の聴診器に装着して利用しながら、市販のヘッドフォンやスピーカーなどとワイヤレス接続して聴診できるようになります。一日中聴診器を使っていると医師も耳が痛くなるそうで、その悩みを解決しようというところから開発が始まったデバイスです。
今回の共同研究も、このネクステートに人工知能を活用した自動診断システムを組み合わせることがベースになっています。
研究では医療従事者らへの感染拡大を予防しながら、医師の経験や能力によらずに、胸部単純X線写真やCT装置がない医療現場で精度の高い早期診断や重症化予測を効率よく行うことを目指すものになっています。
また、医師の同行しない訪問看護や高齢者福祉施設、医療資源が限られる海外の新興国などでも活用できるものにしていきたい考えです。なお、この研究は科学技術振興機構(JST)、研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)で採択されているとのこと。
今回のニュースは、コンシューマー向けではない医療という専門分野向けの情報ですが、シェアメディカルさんは30年近くお付き合いのある峯 啓真さんが代表を務めており、応援したいので取り上げてみました。明確な目標を掲げて第一線で活躍する友人を見ると、身の引き締まる思いがしますね。