タイガー魔法瓶の、電気もガスも使わない炊飯器

タイガー魔法瓶さんの100周年記念モデル「魔法のかまどごはん KMD-A100」発表会に出席しました。KMD-A100は電気やガスを使わず、新聞紙1部(朝刊相当)だけを燃料にご飯が炊ける炊飯器です。

魔法のかまどごはん KMD-A100

「電気やガスを使わない」という触れ込みに、何かの触媒を利用して化学反応で熱でも起こすのだろうかとドキドキしましたが、なんのことはない直火でした。それはそうですよね…。

室内では使いづらいですが、火が使える場所ならどこでも炊飯可能なので、災害時の炊飯はもちろん、学校教育やキャンプ等のアウトドアの飯盒炊爨にも使い勝手が良さそうです。白米1~5合に対応し、10月20日から発売開始。直販サイトでの販売価格は19,800円です。

かまどにお米と水を入れた内鍋を入れ、丸めた新聞紙をかまどに入れて着火し、新聞紙の燃えるペースに合わせて、かまどの穴から新たな新聞紙を投入していくだけ。

新聞紙を丸めて入れていきます

最初の「はじめチョロチョロ」の部分は1分半間隔で、中盤の「なかパッパ」では1分間隔で、2つの穴に交互に新聞紙を入れていき、炊きあがりから10分後に最後の新聞紙を使って余分な水分を飛ばしたら、さらに5分間、「赤児泣いても蓋取るな」の蒸らし。これで炊きたてのご飯のできあがりです。

チャッカマンで着火。先に新聞紙に火を着けてからかまどに入れると、火が最初から奥へ行ってしまい、ムラの原因になるそうです
上手く火が回っています。この火だけで炊飯できるのは意外な印象を受けてしまいます

会場では、社屋の屋上で実際に炊飯しました。私も新聞紙を棒状に丸めて、担当の合図でかまどに投入する作業を体験。これは慣れてしまえば低学年の小学生でも扱えますね。そのくらい簡単でした。

実際に試食すると、ご飯は炊飯器で炊くのと遜色のない仕上がり。ハリがあって、少し堅さを感じる美味しいご飯でした。火加減が分かってきたら、お米の銘柄や水の量を好みに調整して、炊きあがりも自分好みにできそうです。なお、実はこのとき少し風があって、新聞紙の燃えカスがご飯に入らないかちょっと心配しました。

蓋を取ると良い感じに湯気が出て、カニ穴までしっかり開いています

KMD-A100を開発したのはプロジェクトリーダーの村田勝則氏。もともと技術職ではなく、製図を引いたこともなかったと言います。社内で確保していた炊飯器の内釜が、部品保有年数が切れて破棄されるのを見ていてもったいないと考え、何かに再利用できないかと考えたのが開発のきっかけとのこと。

最初はこれをリユースするBtoB向けモデルを作ったそうです。このため、お釜に一回り小さな鍋を入れたようなデザインになっています。

構造を説明する村田氏

村田氏の取り組みは、2022年1月にシャイニング制度の最終審査合格テーマ「事業化賞」を受賞。BtoB向けはリユースの材料を用いるため、個数が限定され、一般販売はしていません。

BtoB向けのあとは、BtoC向けの開発も行うことになり、「KMD-A100」が作られました。BtoC向けでは新たに金型を起こしています。

会場には主な試作機が並んでいました。開発時には試作機をたくさん作り、植木鉢やバケツ、セメントなど、さまざまな道具を流用していることが分かりますね

お手入れが簡単なのも特長。ゴミは新聞紙に包んで燃えるゴミで捨てればOK。よく乾かしてかまどの中に内鍋や網などをひとまとめにすれば、あとは仕舞うだけ。

お手入れは水で濡らしたスポンジで鍋の外側に付いたすすを拭き落とし、内側のご飯粒の残りなどを洗い落とすだけ

収納時の本体サイズは、半径約250×高さ約180mmで、重さは3.1kg。押入れやクローゼットの隅、自動車のトランクなどにも余裕で入りますね。防災備蓄品の近くに置いておくのも良さそうです。

最近は新聞を購読していない家庭が当たり前になってきており、牛乳パックでも代用できるように使用枚数や投入タイミングを研究中とのこと。そこでコピー用紙だと何枚で炊けるのかと聞きましたが「試していない」との返事でした。紙の大きさや厚さ、紙質によって必要枚数や投入タイミングが変わってくるため、メーカーとしてはたとえ調査してもコメントしづらいらしく、ユーザーが自分で探り出す分には大歓迎と話してくれました。

ちなみにタイガーさんの東京支社は、最寄りがJR山手線の大塚駅になります。3年前まで自宅のあった土地。今回の体験会の会場はこの東京支社が会場だったため、久しぶりに大塚を訪れました。結構いろいろ変わっていました。有名な「おにぎりぼんご」の位置が移っていて、「ホープ軒」がまったく違うラーメン屋になっていたり、入ったことのなかった居酒屋がラーメン屋になっていたり。このラーメン屋率はなんでしょうか。この街にまだ住みたかったなと後ろ髪を引かれながら帰宅しました。

2023年暑中見舞い

暑中見舞い申し上げます。

皆様元気にお過ごしでしょうか。
暑さで頭が割れそうになっている方も少なくないのではと思います。私も割れそうです。

昨年も酷暑でしたが、今年は輪をかけて凄いことになっています。
7月の平均気温は東京、千葉、横浜、仙台など全国25地点で、統計を開始した1875年以来最も高くなりました。
8月に入ってからも30℃を超える気温が当たり前の様相です。

先日、窓を開け「今日は風があって涼しくて過ごしやすいな」と思いながら、温度計を見ると「34℃」などと表示されていて、もはや自分の感覚が信用ならなくなりつつあります。

忘れずにこまめに水分を補給して、できるだけ涼しい場所で過ごしましょう。エアコンの当たり過ぎも、肌が乾燥して風邪をひくことがあるので注意しましょう。

ハガキのデザインは、これまでと同様、デザイナーの月陽堂さんの力作です。

間違い探しの解答は以下の通り。
見つかりましたでしょうか。
楽しんで頂けたなら幸甚です。

皆様のご健康とご多幸を祈念しております。

引き続き宜しくお願い致します。

Kindle for PCのメジャーバージョンアップの完成度が恐ろしく低い

Amazon.co.jpさんが提供する「Kindle for PC」がメジャーバージョンアップしました。バージョン 2.0.0(70269)になっています。このバージョンははっきり言ってヤバイです。「ヤバイ」の言葉は昨今いろいろなニュアンスで使われますが、これは本来の意味通りのヤバイです。まったくオススメできません。バージョンダウンがオススメです。

私は小説や新書などほとんどが文字の書籍は、Kindle Paperwhiteで読み、コミックや実用書など絵や図が中心の書物はPCの「Kindle for PC」を使って読んでいます。

通常、バージョンアップしたアプリは使いやすくなったり、それまで使えなかった機能が使えるようになったりするものですが、「Kindle for PC 2.0.0(70269)」は、稀に見るダメなバージョンアップでした。ベータ版でもここまで酷い出来のものなど、そうそうお目にかからないです。

Kindle for PCはアップデートが自動的に適用されます。勝手にネットから新バージョンをダウンロードして、次回起動時に自動更新して起動します。手間がないのは良いのですが、新バージョンは起動するとコンテンツが一切表示されず、トラップ以外の何物でもありません。

コンテンツが空っぽになったのではなく、ウィンドウとメニュー以外は何も表示しないバグです。アプリを再起動してもダメ。Windowsを再起動してもダメ。

これは一旦、アンインストールして、インストールし直すのが良いかなと思ったところで、ふとタスクバーのアイコンの履歴からコンテンツを直接指定したら直りました。なんだったのだろうと思いつつ、直ったならいいかと読みかけのコンテンツを読み終えて閉じます。コンテンツも無事に表示されました。

スクロールが劇的に遅くなっています。普通のソフトは、バージョンアップすると表示が速くなるので、遅くなるのは極めて新鮮です。しかもスクロールバーで最後尾を表示しようとしても1行ずつ丁寧に読み込むため、何千冊もあるとスクロールするだけで何分も掛かります。

新バージョンはKindle Paperwhiteで以前から利用できるグループ機能が、PC版でも使えるようになったことが分かりました。これは良いんじゃないかと思い、早速、2つ3つグループを作ってみました。

コンテンツを範囲指定できないため、30巻あるコミックを1つのグループにまとめようとすると、30冊を1つずつ選択して登録する必要があります。100巻あったら100回クリックすることになります。ユーザーインターフェイスとして親切とは言い難いダメ仕様です。ちまちまと選択して登録を終え、コンテンツ画面に戻り、いざ登録したグループを開こうとしました。

開きません。

作ったはずのグループが消えています。

徒労感にさいなまれながら、アプリを再起動すれば戻っているのではないかと期待して再起動。

期待は綺麗に裏切られ、グループが復活するどころか、コンテンツ画面がまた真っ白になって、1冊も表示されなくなっていました。ダメダメです。超ダメダメです。一旦削除して再インストールしましたが、まったく同じ現象を繰り返すだけ。恐らくアップデートで更新されるまでこのままでしょう。

これを作ったエンジニアチームは、デバッグを知らないのかしらと疑うレベルです。呆れて笑っちゃいました。

ネット上で情報を探すと、どうやら同じ現象に悩むユーザーが多く、メジャーバージョンアップ前の最終バージョン「1.40.1(65535)」をアーカイブで提供するサイトを紹介している人がいました。アングラかもしれません。ファイル名は「kindle-1-40-65535.zip」なので、ファイル名で探せば、私が拾ったサイトがなくなっていてもどこかで見付けられるのではないかと思います。

バージョンダウンしたら、うっかり自動更新されないように[ツール]から[オプション]を開き、「一般」の「更新がある場合は自動的にインストールする」のチェックを外しておきましょう。備忘録を兼ねてメモしておきました。