パナソニックさんのコードレススティッククリーナー「パワーコードレス MC-SBU840K」の発表会レポートを、家電Bizさんに掲載して頂きました。少しずつ増えてきた、オンラインでの発表会です。
メーカーの発表会では、その製品ジャンルの市場動向について触れることも多く、大変参考になります。
たとえばパナソニックさんの調査では、クリーナーというジャンルにおけるコードレススティックタイプの構成比は、年々拡大し、2018年にはコードレススティックタイプが、キャニスタータイプを逆転。2019年には、コードレススティックタイプが49%、キャニスタータイプが38%となっています。この傾向はさらに続くでしょう。
もっとも、これは国内市場全体の話で、パナソニックさんだけで構成比を見ると、まだキャニスタータイプが57%を占め、コードレススティックタイプは33%とのこと。同社としてはキャニスタータイプにおけるシェアを維持しながら、スティックタイプでのシェアを伸ばす余地があると見ています。
つまり、新製品は自社キャニスタータイプのシェアを落とすことなく、スティックタイプの競合に打ち勝つことを目指して開発されているということです。
こうした話はエンドユーザーには直接関わらない部分なので、コンシューマー向けの媒体では無視して、製品の紹介のみに焦点を絞る傾向があります。しかし、メディアやリテールにとっては、とても重要な情報です。
新製品を開発したメーカーが、どういうコンセプトでその製品を準備したのか、どういうニーズに応え、どういう人にどのように使って欲しいのか、あるいはメーカーとしてどのくらい力を入れている製品なのか、という部分を捉えるのに必要な情報になるからです。
今回の「パワーコードレス MC-SBU840K」は、クリーナーヘッドに工夫を凝らした「絡まないブラシ」を採用していて、その名の通りブラシの毛の絡まりを抑えられるようになっています。これはカタログの数値だけ見ていては伝わらない「良さ」です。また、家電量販店の店頭で試して実感しやすい機能でもあります。
同社ではキャニスターのヘッドにも採用していくとアナウンスしており、このヘッドが気に入ったからキャニスターからコードレスに乗り換えようという人はあまり居ないでしょう。むしろ、ブラシの毛の絡みが気になっている層には響く魅力ですから、キャニスターでもコードレスでもシェア拡大を積極的に仕掛けられると思います。
クリーナーは国内外のメーカーが何社も参入している激戦区。パナソニックさんの健闘がどこまで消費者に響くのか、見守りたいと思います。